更年期と自律神経その2

こんにちは、ケント先生です。

今回は前回の続きからですね。

 

第4章 倦怠感

4つ目は、倦怠感です。

朝からだるい。

何をするにも億劫。

休んでも疲れが抜けない。

そんな状態です。

 

自律神経が乱れるとエネルギーを作る効率が低下し、体が常に疲れた状態になりやすくなります。

また睡眠不足が続いている人は、さらに倦怠感が強くなります。

朝起きた瞬間から疲れている、休日に寝ても疲れが取れないという方は、自律神経だけではなく、睡眠や食事、運動不足なども関係している可能性があります。

 

東洋医学では、気が不足した状態と考えることが多く、エネルギー切れのような状態です。

スマホで例えるなら、バッテリー残量が20%しかないまま一日を過ごしているようなものです。

その状態で動画を見たりゲームをしたりすると、あっという間に電池がなくなってしまいます。

人の体も同じで、エネルギー不足のまま仕事や家事を頑張り続けると、さらに疲れが蓄積してしまいます。

 

NGなのは、朝食を抜くこと、炭水化物を極端に減らすこと、夜更かしを続けることです。

「朝は食欲がないから」と何も食べずに出掛ける方も多いですが、朝食は一日のエネルギーを作る大切なスイッチです。

また、糖質を極端に制限すると脳のエネルギーも不足し、集中力ややる気も低下しやすくなります。

 

おすすめの食材は、白米、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、大豆、枝豆、山芋です。まずは朝食をしっかり食べることから始めてみましょう。朝ご飯を食べることで胃腸も動き始め、自律神経のリズムも整いやすくなります。

また、疲れているからと一日中横になっているよりも、5分から10分程度の軽い散歩やストレッチをした方が血流が良くなり、かえって体が軽くなる方も少なくありません。

倦怠感によく使われる漢方薬の一つが補中益気湯です。

 

 

第5章 胃腸の不調

そして5つ目は、胃腸の不調です。

胃がもたれる。

食欲がない。

お腹が張る。

便秘と下痢を繰り返す。

緊張するとお腹が痛くなる。

そんな方はいませんか。

 

前回お話ししたとおり、胃腸の働きも自律神経がコントロールしています。

食べたものを消化しようと意識しなくても消化できるのは、自律神経が動かしてくれているからです。

胃腸が活発に動くのは、体が休んでいるとき、つまり副交感神経が働いているときです。

ところが緊張やストレスが続いて交感神経が優位のままになると、胃腸の動きは後回しにされてしまいます。

食べたのに消化されない。お腹は空かないのに胃が重い。そんな状態が起こります。

 

体を工場に例えると、稼働の指示が来ないまま材料だけが運び込まれている状態です。

材料は積み上がっていくのに、処理が進みません。

東洋医学では、消化吸収を担うのは「脾」と考えます。

脾は気を作り出す源でもあるため、ここが弱ると、エネルギーそのものが不足していきます。

つまり、胃腸の不調は倦怠感や気分の落ち込みにもつながっていくのです。

NGなのは、食事を短時間でかき込むこと、冷たいものを摂り過ぎること、そして「食べられないから」と抜いてしまうことです。

特に冷たい飲み物は胃腸の動きをさらに鈍らせます。

 

おすすめの食材は、山芋、かぼちゃ、キャベツ、大根、味噌、生姜、白米です。

加熱して温かい状態で食べることが大切です。まずは冷たい飲み物を、常温か温かいものに変えることから始めてみてください。

また、よく噛むことも立派な対策です。噛

むこと自体が副交感神経を働かせるスイッチになります。一口30回とまでは言いませんが、いつもより数回多く噛むだけでも違ってきます。

胃腸の不調によく使われる漢方薬の一つが六君子湯です。

 

終章 悪循環はどこから断つか

ここまで

・動悸

・不眠

・イライラや落ち込み

・倦怠感

・胃腸の不調

の5つの症状についてお話ししました。

前回お伝えした悪循環を、もう一度思い出してみてください。

眠れないから疲れが取れない。

疲れが取れないからイライラする。

イライラするから、また眠れない。

 

実際にはこれらの症状が一つだけ現れることは少なく、多くの方は複数の症状を同時に感じています。

だからこそ、症状を一つひとつ潰そうとすると、いつまでも終わりません。

大切なのは、この輪をどこか一か所で断つことです。

どこから断つのがいいのか。

 

おすすめは、朝です。

 

朝起きてカーテンを開ける。

朝日を浴びる。

朝ご飯を食べる。

たったこれだけですが、朝日は体内時計をリセットし、夜の眠りを準備してくれます。

朝食は胃腸を動かし、一日のエネルギーを作ります。

 

夜の睡眠は朝から始まっている。

イライラの多くは、疲れから来ている。

その疲れは、眠りから来ている。

だから朝を整えると、輪が少しずつほどけていきます。

そして忘れないでいただきたいのは、「なぜ乱れているのか」を考えることです。

睡眠不足なのか、ストレスなのか、食事の問題なのか、それとも頑張り過ぎなのか。原

因が分かれば、対策も見えてきます。

 

東洋医学には「未病」という考え方があります。

病気になる前の、不調の段階で体を整えようという考え方です。

病院では異常がないと言われたけれど本人はつらい。そのような状態こそ、早めに生活習慣を見直すことが大切です。

漢方も、症状だけではなく体質や生活背景を考えながら整えていくことを大切にしています。

 

自律神経は一日で整うものではありません。しかし毎日の食事や睡眠、生活習慣を少し見直すだけでも、体は少しずつ変わっていきます。

ぜひ今日のお話を参考に、ご自身の体をいたわってあげてください。

「これならできそう」と思うことを一つだけでも、今日から始めてみてください。

 

その小さな一歩が、悪循環を断つ大きな一歩になります。