今回は中医学の基本的な考え方の二つ目、「弁証論治」についてお話しします。
ちなみに前回の「整体観念」の記事はこちらhttps://shimada-kanpo.jp/staffblog/443/
「弁証論治」って聞いたことがないかたがほとんどです。
分かりやすく言うと、体の状態を見極め、適切な薬を選ぶ方法です。中国ではこの方法を使い多くの方を治しています。
体の状態は、個人によって違い、同じ症状・悩みがあってもその本質が違うことがよくあります。
ですので、風邪や頭痛、めまいや便秘なども人それぞれであり、その原因が違う場合、同じ処方を使っても症状が改善する人としない人がいます。
その見極めの方法が弁証論治なのです!
中医学と日本漢方との大きな違いがここになります。
日本漢方では、ある症状に対して一つの漢方薬が対応していることが多いです。
例えば、有名な葛根湯ですが、発熱、寒気がしてまだ1,2日で頭痛、うなじが強張り、汗が出ない、などの症状があれば「葛根湯証」といい、葛根湯がよく効きます。
これらは本質を見極めているのではなく、症状に合った漢方薬を使う、という考え方に基づくものです。
しかし、どちらが優れているなどということはなく、両方にいいところがあります。ですので、われわれ中医学を専門とするものでもその手法を取り入れていたりします。
前回の記事と合わせたまとめとして、
中医学では、人の体は自然界と同様の現象が起き、どのような現象が起きているかを個人個人の症状を見ながら見極め、最適な漢方薬を提案する、という手法をとっています。
その現象を「五行」に大別しています。
次回以降で「五行」について説明しますね。
今回も読んでいただいてありがとうございました。