お子様がかかりやすい病気はさまざまな種類があります。
病気とまではいかなくても発達障害をはじめとするお悩みは人それぞれあります。
今回は乳児から幼児までで起こると注意すべき五遅五軟(ごちごなん)についてお話しします。
五遅五軟とは
東洋医学における発育不全のことで
立遅、行遅、髪遅、歯遅、語遅、頭軟、口軟、項軟、手足軟、肌肉軟と呼ばれています。
立遅(りっち)
小児が生後1年、経っても一人で立つことができないこと
行遅(こうち)
小児が1歳、酷いときは2,3歳になっても歩くことができないこと
髪遅(はっち)
産まれた時に髪がなく、また時が過ぎても髪が生えていない、まばらなこと
歯遅(しち)
10カ月たっても歯が生えてこないこと
語遅(ごち)
4~5歳になっても話すことができないこと
頭軟(ずなん)
頭を持ち上げられない、泉門(新生児にある頭蓋骨の隙間)が閉じないこと
口軟(こうなん)
胃腸が弱く咀嚼できずよだれを垂れ流すこと
よだれは2歳ほどまで出るのは問題ない
項軟(こうなん)
首が座らないこと
手足軟(しゅそくなん)
手足に力を入れられないこと
肌肉軟(きにくなん)
胃腸が弱りやせ細ってしまうこと
いわゆる発達障害と呼ばれる子供はこれのいずれかに当てはまる場合が多いと思いますが、東洋医学であれば対応できるパターンが多いです。
もちろん100%とはいきませんが、症状が改善することもあります。
小学校低学年のお子様がいらっしゃるお母さまからのご相談ですが、お子様が感情をコントロールできずに悩んでいたそうです。お子様自身も、抑えたいけれども抑えられないと悩んでいました。
そこで当店の漢方薬や健康食品を使用したところ少しずつ怒りなどの感情をコントロールできてきたようでお母様も喜んでおられました。
苦手な味がはっきりしているお子様も多いので錠剤タイプを使用しました。
ずっと悩んでいたのが解消されてとても喜んでおられましたし、私どもとしてもうれしいお話ですね。
この場合は使用していませんが、成長が遅いお子様は東洋医学で生命力を主る「腎」の力が不足している可能性が大きいです。そこでよく使われる漢方薬は「六味地黄丸」です。漢方のCMなどを見たことある方でしたら、高齢者の腰痛に使われる「八味地黄丸」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。
これは両方とも「腎」の力を高めるために使われている漢方薬なのです。腎の力が弱っているお子様や、年齢を重ねて「腎」の力が衰えてきた高齢者によく使われます。
「六味地黄丸」は「八味地黄丸」から二味(2種類の生薬)を抜いたものでよりお子様にも飲めるように調整された漢方薬でもあります。
また、胃腸が弱っているお子様には「小建中湯」という飴が入った漢方薬もおすすめですね。飴が入る漢方薬はほとんどありませんが、「小建中湯」は胃腸を助けるために入っているので他の漢方薬と比較して甘いです。
他にも症状に合わせてお子様に使う漢方薬はたくさん種類があります。
同じ病名がついていたとしても症状や体質が違えば使われる漢方薬は変わってきますので専門家に相談してみてくださいね。